| 授業方針・テーマ |
<善く生きる>とはどういうことか、という問題は、現代の我々にとっては諸個人の私的問題として受け止められがちである。だが、古代から近世のヨーロッパの人々にとって、それは市民全員が共有すべき公共的問題であった。すなわちそこでは、人間の<善き生>の問題は、諸個人の選択に委ねられるのではなく、政治や宗教のあり方と密接不可分の形で論じられていた。本講義では、古代から近世にかけて<善き生>の考え方を決定的に規定した二大潮流として、「古代ギリシアの政治思想」と「キリスト教」を中心に取り上げ、その展開過程を概観する。古代ギリシアの市民にとって、善く生きることは政治の世界に関わることと不可分であったが、やがて、こうした政治中心の<善き生>をめぐる考え方は、キリスト教という宗教の登場によって根本的な挑戦を受けることになる。近代以降に定着した自明の価値観を問い直すうえでも、<善き生>をめぐるこうした政治と宗教の相克の歴史は示唆に富むものとなるだろう。 |
習得できる知識・能力や授業の 目的・到達目標 |
西洋政治思想史に登場する様々な政治構想の内容とその歴史的背景について理解し、政治をめぐる諸問題について批判的に思考できるようになる。 |
授業計画・内容 授業方法 |
1.古代と中世の政治思想 2.ポリスの政治思想(1):ソクラテス 3.ポリスの政治思想(2):プラトン 4.ポリスの政治思想(3):プラトン 5.ポリスの政治思想(4):アリストテレス 6.ポリスの政治思想(5):アリストテレス 7.反ポリスの思想(1):エピクロス 8.反ポリスの思想(2):ストア派 9.ローマ共和政の政治思想:キケロ 10.キリスト教(1):キリスト教の成立 11.キリスト教(2):アウグスティヌス 12.キリスト教(3):皇帝権と教皇権 13.キリスト教(4):トマス・アクィナス 14.宗教改革:ルターとカルヴァン 15.ルネサンスの政治思想:マキァヴェリ *授業の進捗は変更の場合がある。 |
| 授業外学習 |
毎回、参考書の該当箇所をあらかじめ読んでおくことが望ましい。 |
| テキスト・参考書等 |
講義は配布するレジュメに沿って行われるため、テキストは使用しない。参考書として、さしあたり以下の二冊をあげておく。 ・宇野重規『西洋政治思想史』(有斐閣アルマ、2013年) ・川出良枝・山岡龍一『西洋政治思想史――視座と論点』(岩波書店、2012年)
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| 成績評価方法 |
試験によって評価する(100%)。 |
質問受付方法 (オフィスアワー等) |
質問は授業後に随時受け付ける。 |
特記事項 (他の授業科目との関連性) |
本講義を履修する学生は「西洋政治思想史Ⅱ」も受講することを推奨する。 |
| 備考 |
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