シラバス照会

<< 最終更新日:2025年03月27日 >>
基本情報
科目種別 専門教育科目 授業番号 F3028
学期 後期 曜日
科目 日本文化特殊講義<904> 時限 3限
担当教員 橋本 ゆかり 単位数 2
科目ナンバリング
※2018年度以降入学生対象
JHD-215-1:人文社会学部専門教育科目

担当教員一覧

教員 所属
橋本 ゆかり 人文学科

詳細情報
授業方針・テーマ 〔重要:この科目は、2018年度以降入学者は「日本文化特殊講義<903>」、2017年度以前入学者は「日本文化特殊講義」を履修登録すること。
 人文社会学部人間社会学科の中学校一種免許(国語)、高等学校一種免許(国語)、を希望する者は、当該科目ではなく、「日本文化特殊講義A<903>」を履修登録すること。(学科共通科目(人文社会学部のページ参照))〕

◆『源氏物語』を読む――玉鬘・胡蝶・蛍巻

本授業は、平安文化・文学を代表する『源氏物語』を講読する。『源氏物語』は第一部、第二部、第三部からなる。玉鬘・胡蝶・蛍巻は、第一部の玉鬘十帖と呼ばれる玉鬘をヒロインとする巻の前半部にあたる。
光源氏はかつて夕顔と恋をして眼前でその人をもののけにとられて失ってしまった。夕顔は頭中将の恋人でもあり、二人の間には幼い姫君がいたが、夕顔の死後、行方不明となっていた。玉鬘巻で、その幼い姫君が美しい大人となって光源氏の目の前に現れるところから、物語は展開する。かつての光源氏も頭中将も若かった。しかし、玉鬘登場時には、政界を二分する権力者たちである。恋と政治と鎮魂と、さまざまな視点から読み解いていく。

平安時代のジェンダー、身分、恋の作法、空間構成の意味、雅楽、舞、歴史的地理など、平安独自の文化・歴史を背景として展開される物語の読解を通して、平安文化・文学への理解を深める。

時には『源氏物語』のアダプテーションとして絵巻や、舞台芸術についても論究する。物語を解読する方法と、『源氏物語』独自の方法とテーマについて講義する。読解に際し、平安文学・文化の基礎知識を示し、その理解を深める。

*日本古典文学に関する基礎的な授業のため、日本文学を専門とする学生以外でも履修が可能です。
習得できる知識・能力や授業の
目的・到達目標
・平安文学・文化および『源氏物語』についての基礎知識を習得すること。
・平安文学・文化の特質を理解し、物語読解の手続きと方法を身につけ、それらを用いて授業で学んだ場面について解読し、論理的に述べることができること。
・『源氏物語』についての特質を学び、理解を深めること。
・古典の作品を通じて、現在を相対化して、今ここを考えるまなざしを手に入れること。
授業計画・内容
授業方法
第1回 ガイダンス 『源氏物語』概要 夕顔巻について
第2回 夕顔と光源氏
第3回 玉鬘巻を読む――玉鬘登場
第4回 玉鬘巻を読む――筑紫からの脱出
第5回 玉鬘巻を読む――長谷寺での邂逅
第6回 玉鬘巻を読む――光源氏のもとへ
第7回 胡蝶巻を読む――六条院の船楽
第8回 胡蝶巻を読む――求婚者たちと恋文
第9回 胡蝶巻を読む――夕顔の面影
第10回 蛍巻を読む――蛍のあかりと垣間見
第11回 蛍巻を読む――偽りの〈父〉
第12回 蛍巻を読む――物語論
第13回 アダプテーションについて
第14回 まとめ
第15回 まとめふりかえり

*以上はあくまで予定であり、学生のみなさんとの対話で順序や内容を入れ替えることもある。
*毎回授業の終わりにリアクションペーパーを書いてもらう。
*授業時に意見や感想を述べたり、受講生間でディスカッションしてもらうこともあります。



授業外学習 授業前には、授業で読む予定のテキストの箇所を読み、自分で疑問点などを見つけておく。
授業後には、授業で学んだことや興味を持ったことについて資料を探し、考えを深める。
テキスト・参考書等 ◆テキスト(必ず購入して準備してください。)
『源氏物語 (四)玉鬘―真木柱』(岩波文庫、藤井貞和他校注)
ISBN: 9784003510186

◆参考書
★図書館のジャパンナレッジに新編日本古典文学全集や辞書類が入っています。大いに利用してください。
・源氏物語古注集成(おうふう)
・玉上琢彌『源氏物語評釈』(角川書店)
・『源氏物語必携事典』[別冊国文学1](學燈社)
・『源氏物語必携Ⅱ』[別冊国文学13] (學燈社)
・『王朝物語必携』[別冊国文学32] (學燈社)
・秋山虔編『源氏物語事典』(學燈社)
・新編日本古典文学全集『源氏物語』(秋山虔ほか校注・訳、小学館)
・『源氏物語図典』(秋山虔・小町谷照彦編、小学館)
・(分冊百科)『週間朝日百科絵巻で楽しむ源氏物語五十四帖』(朝日新聞出版、監修:秋山虔、源氏絵監修:・稲本万里子、執筆者:橋本ゆかり、稲本万里子、高田裕彦他)
・『源氏物語必携事典』(秋山虔・室伏信助編、執筆者:橋本ゆかり他)
・『源氏物語事典』(林田孝和・原岡文子他編、執筆者:橋本ゆかり・吉井美弥子他、大和書房)
・『平安大事典』(倉田実編、田坂憲二他著、朝日新聞出版)
・『源氏物語湖月抄(下)増注』(北村季吟著・有川武彦校訂、講談社学術文庫)
その他、参考書は適宜授業時に指示する。



*その他適宜プリントを配布する。

成績評価方法 本授業の到達目標は、「平安文学・文化および『源氏物語』についての基礎的知識を身に付けていること。さらに、物語を読み解く方法を身に付け、それらを用いて、授業で学んだ場面について、論理的分析し述べることができること」である。期末試験70%、小レポート30%で、その到達度合いを測り、以下の通り評価する。

A:平安文学・文化および『源氏物語』についての基礎的知識を正しく身に付けていること。さらに、物語を読み解く方法を身に付け、それらを適切に用いて、授業で学んだ場面について、論理的に特筆すべき水準で述べることができること。
B: 平安文学・文化および『源氏物語』についての基礎的知識を正しく身に付けていること。さらに、物語を読み解く方法を身に付け、それらを適切に用いて、授業で学んだ場面について、論理的にすぐれた水準で述べることができること。
C: 平安文学・文化および『源氏物語』についての基礎的知識を身に付けていること。さらに、物語を読み解く方法を身に付け、それらを適切に用いて、授業で学んだ場面について、論理的に述べることができること。
D: 平安文学・文化および『源氏物語』についての基礎的知識を最低限の水準で、身に付けている。さらに、物語を読み解く方法を身に付け、それらを適切に用いて、授業で学んだ場面について、論理的に述べることについて、最低限の水準を満たしている。
F: 平安文学・文化および『源氏物語』についての基礎的知識を最低限の水準でも身に付けていない。物語を読み解く方法を身に付け、それらを適切に用いて、授業で学んだ場面について、論理的に述べることが最低限の水準を満たしていない。
質問受付方法
(オフィスアワー等)
授業時に書いてもらうリアクションペーパーで。その他授業時に指示する。
特記事項
(他の授業科目との関連性)
備考