授業方針・テーマ |
「20世紀フランスの思想」 20世紀を通じて、フランスでは哲学や思想の知的探究が、文学や芸術、精神分析、人類学、経済学、歴史学などと交錯しながら展開された。そららの思潮は西欧中心主義的な思想への反省や対抗として現れ、主体や意識、身体、歴史、文明、政治などのさまざななテーマを刷新した。実存主義や構造主義、ポスト構造主義などと表現されるこれらの思潮は世界的に拡散され、応用され、いまでは人文学研究の明示的ないし暗示的なスタンダードとなっている。本演習では、20世紀フランスの思想をオムニバス形式で辿ることでその思潮を概観する。
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習得できる知識・能力や授業の 目的・到達目標 |
本演習を受講するあなたは、20世紀フランスの思想のテクストの読解を通じて、さまざまな主題を渉猟することになる。また、テクストの分析を通じて、フランス語と日本語の能力を洗練させることがあなたには期待される。 |
授業計画・内容 授業方法 |
演習は、フランス語テクストの抜粋の翻訳と分析、各思想家の説明から構成される。抜粋はフランス語で読むが、日本語訳も配布するので、フランス語未修者でも参加可能。 1.ガイダンス 2.Jean-Paul Sartre, L’être wet la néant. サルトル『存在と無』 3.Albert Camus, Le Mythe de Sisyphe. カミュ『シーシュポスの神話』 4. Georges Batailles, Le coupable.ジョルジュ・バタイユ『有罪者』 5. Maurice Blanchot, Le livre à venir. モーリス・ブランショ『来たるべき書物』 6. Roland Barthes, Le Degré zéro de l'écriture. ロラン・バルト『零度のエクリチュール』 7.Claude Lévi-Strauss, Race et Histoire. クロード・レヴィ=ストロース『人種と歴史』 8.Michel Foucault, Surveiller et punir. ミシェル・フーコー『監獄の誕生』 9.Jacques Lacan, Écrit.ジャック・ラカン『エクリ』 10. Jean-François Lyotard, Discours, figure.ジャン・フランソワ・リオタール『言説、形象』 11. Gilles Deleuze, « Désir et plaisir », Deux régimes de fous.ジル・ドゥルーズ「欲望と快楽」 12. Emmanuel Levinas, Totalité et infini.エマニュエル・レヴィナス『全体性と無限』 13. Jean-Luc Nancy, Au ciel et sur la terre. ジャン゠リュック・ナンシー『天上に地上に』 14. Hélène Cixous, Ayaï ! Le cri de la littérature. エレーヌ・シクスー『文学の叫び』 15.まとめ 授業は基本的に対面で実施されるが、オンラインで実施されることもある。その際はkibacoなどを通じて事前に告知する。
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授業外学習 |
授業の内容を復習しながら、次回のテクスト抜粋を読んでくること。 |
テキスト・参考書等 |
上記の授業計画に記した文献(抜粋)は基本的に複写物を配布する予定。 |
成績評価方法 |
授業への参加、発表とコメントで成績評価。原則的に、試験・レポートはおこなわない。
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質問受付方法 (オフィスアワー等) |
オフィスアワーは特に設定しませんが、直接質問したい場合は随時受付しますので、事前にメール(ynishi@tmu.ac.jp)でアポイントメントをとってください。 |
特記事項 (他の授業科目との関連性) |
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備考 |
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