授業方針・テーマ |
この授業のテーマは、平和と非暴力に関する問題の哲学・思想的基礎の探究です。平和や非暴力の問題を哲学的に考察するうえで重要な古典的テクストを読みながら、そもそも平和とは何か、非暴力とは何か、そしてそれを実現する可能性はそもそもこの自然界において、また非力で有限な人間にとって存在するといえるのか、といった問題について共に考え、共に哲学することを目指します。 |
習得できる知識・能力や授業の 目的・到達目標 |
・平和や非暴力についての哲学者や思想家の古典的なテクストの抜粋を読むことで、その思想に直接に触れることができる。 ・近現代の平和や非暴力に関連する思想を検討することで、平和と非暴力についての自分なりの理解を形成することができる。 ・毎回テーマに関連するトピックについてディスカッションをすることを通して、平和と非暴力についての他者の意見に触れ、また自らの考えを言語化しつつ、自分なりの考えをさらに深めることができる。 |
授業計画・内容 授業方法 |
【授業計画・内容】 第1回 導入:平和と非暴力の思想的哲学的探求の基礎としての人間観と自然観の検討 第2回ー第4回 カント『永遠平和のために』を読むー人間の尊厳、根源悪、理念の大切さと自然の助力 第5回 ヘーゲル『精神現象学』における良心論と和解の思想 第6回 アレント『エルサレムのアイヒマン』における悪の問題とヴェイユ『イリアスあるいは力の詩篇」 第7回 アレント『暴力について』の抜粋を読む 第8回 アレント「独裁体制における個人の責任」を読む 第9回 ソロー『市民の反抗』とバトラー『非暴力の力』の抜粋を読む 第10回 ガンジー『獄中からの手紙』「真の独立への道」の抜粋を読む 第11回 キング牧師『自由への大いなる歩み』の抜粋を読む 第12回 内村鑑三『非戦論』の抜粋を読む 第13回 もの言えぬいのちに対する暴力について考える 第14回 自然への暴力について考えるーアルネ・ネスとディープエコロジー 第15回 平和の基礎としての心の平安ーティック・ナット・ハンの思想を読む 【授業方法】 授業前半約30分は講義形式で行い、そのあと毎回のトピックに従ったテクストを読み、終わりの15分程度で質疑応答および関連するトピックについてディスカッションする。 |
授業外学習 |
毎回、授業の前日までにkibaco上にその回の授業のレジュメを(資料の欄において)提示するので、事前に目を通してから授業に持参加すること。毎回の授業で読むテクストは、そのつど、そのひとつ前の回に配布するので必要に応じて予習したうえで持参すること。 毎回、授業の最後にリアクションペーパーを配布するので、①疑問点、②授業を通じて学んだことの要約、③授業を通して考えたことを記入して、次回の授業の最初に提出すること。 |
テキスト・参考書等 |
テキスト:毎回のレジュメをkibaco上に提示するほか、授業開始時及び毎回の授業時に次回に読むテクストのコピーを配布する。 参考書:そのつど授業内で紹介する。 |
成績評価方法 |
授業への積極的な参加(30%)リアクションペーパーの提出(30%)期末テスト(40%) ・授業中の発言、積極的な質問、ディスカッションへの積極的な参加を評価する。 ・毎回のリアクションペーパーの提出とその内容の充実度を評価する。 ・期末テストでは、授業の中で扱った問題に関する基礎知識の習得に関して選択式および記述式で問い、評価する。 |
質問受付方法 (オフィスアワー等) |
質問は、授業の前後の時間に随時受け付けるほか、メールでも受け付ける。 【メールアドレス】 naturisizukawa@yahoo.co.jp |
特記事項 (他の授業科目との関連性) |
テーマに関心のある方のご参加を、学部学科、学年を問わず歓迎いたします。テクストの原文が英語である場合には、邦訳も参照しつつ、できるだけ英語で読みたいと思います。原文がドイツ語の場合には、参加者のドイツ語履修状況によって、邦訳で読むか原文で読むかを決めたいと思います。 |
備考 |
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