授業方針・テーマ |
【講義の対象】 民事訴訟法Ⅲは民事訴訟手続の中でも、「倒産処理手続(特に「破産手続」)」を対象とする講義です。いわゆる判決手続や民事執行・民事保全手続を扱うものではないため、ご注意ください。「民事訴訟法Ⅰ」が判決手続を、「民事訴訟法Ⅱ」が民事執行・民事保全手続を取り扱います。 本講義の対象となる「倒産処理手続」とは、簡単に言えば、債務者が経済的に苦しい状況において、利害関係人(特に債権者)の利害をどのように調整するか規律する手続となります。 他方、Aさんが皆さんを含む複数の人間からお金を借りており、全員に返済をすることができない状況にあるとしましょう。Aさんにお金を貸した人(債権者)が自由にAさんから債権を回収できるとしてしまうと、返してもらえる人と返してもらえない人ができてしまい、債権者間の不平等等の弊害が生ずる可能性があります(債権を全額回収できるか否かは早い者勝ちとなります)。 そこで、このような弊害を防止するため、我が国では、Aさん(債務者)が経済的に破綻した局面を対象として、お金を貸した人(債権者)全員が集団的に権利行使をするための制度を設けています。この制度が「倒産処理手続」となります。
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習得できる知識・能力や授業の 目的・到達目標 |
倒産処理手続の全体構造を把握するとともに、倒産処理手続がいかなる局面でいかなる利益を保護しようとするのか、各利害関係人の利害調整のあり方を理解することが目標となります。 また、本授業を通じて、民事訴訟法や債権法・担保法等、民法のより深い理解を得ることも可能となります。 |
授業計画・内容 授業方法 |
現在予定している授業計画は以下の通りです。テキストやレジュメを使用しながら、授業を進めます。また、破産手続を主として扱いますが、破産手続の特殊性や判例の理解を深めるべく、必要な範囲で再生手続や会社更生手続(これらは簡単に述べると、借りたお金が返しきれなくて経営が立ち行かなくなった会社(債務者)の経済的再建を目的とする手続です。)についても扱います。講義を中心とする授業を実施する予定です。 また、レジュメにも適宜破産法の条文を引用することはありますが、他の法律(例えば、民法)の条文や破産規則等を参照する可能性もありますので、各自六法全書を持参するようにしてください。
1.ガイダンス 2.破産手続の開始要件 3.破産手続開始の効力、破産手続の機関 4.破産債権、財団債権等① 5.破産債権、財団債権等② 6.双方未履行双務契約の処遇① 7.双方未履行双務契約の処遇② 8.取戻権、別除権 9.破産手続における相殺権の処遇 10.相殺禁止の例外 11.否認権①―詐害行為否認 12.否認権②―偏頗行為否認 13.破産手続の進行・配当・手続の終了 14.免責手続 15.まとめ |
授業外学習 |
授業で扱った部分についてレジュメや後述するテキストや参考書を用いて、60分程度復習することが望ましいです。
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テキスト・参考書等 |
【テキスト】 山本和彦『倒産処理法入門〔第5版〕』(有斐閣、2018) 【参考書】 松下淳一=菱田雄郷編『倒産判例百選〔第6版〕』(有斐閣、2021)
その他の参考文献に関しては適宜、授業の際にご紹介します。 |
成績評価方法 |
学期末試験となります。 |
質問受付方法 (オフィスアワー等) |
質問や連絡に関しては担当教員のメールアドレスまでご連絡ください。連絡先については別途授業の際、お知らせいたします。 |
特記事項 (他の授業科目との関連性) |
① 3年生以上を対象とした授業です。「民事訴訟法Ⅰ」(判決手続)を履修済み・履修中である方が望ましいです。また、強制執行・民事保全手続及び債権総論・担保物権についても一定以上の知識がある方が授業の内容が分かりやすくなります。 ② 法律学コースの選択必修科目となっているのは「民事訴訟法Ⅰ」であり、本科目ではありません。
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備考 |
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