授業方針・テーマ |
《記号論と構造主義》 表象文化論の諸理論の基礎となっており、そうした理論の理解に不可欠な記号論と構造主義の基本事項を学ぶ。周辺領域の重要事項も視野に入れる。講義は受講者にまったく予備知識がないことを前提として行なう。思想的・哲学的側面よりも、芸術作品や文化的事象の分析や理解に役立つ思考法としての側面を重視しながら講義する。表象文化論の「表象(representation)」という言葉のおおもともには「あらわす(represent)」という意味がある。「記号」とは、単純化していえば、何かを「あわらす」もののことであり、その記号のはたらきを研究するのが記号論である。
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習得できる知識・能力や授業の 目的・到達目標 |
記号論と構造主義にかんする基礎的な知識と教養を身につける。 関係する学説とその背景、主要な概念・テクニカルタームのほか、基本的な分析ツールとその利用法、過去の理論的実践の成果などを学ぶ。
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授業計画・内容 授業方法 |
第1回 イントロダクション 第2〜5回 記号論の基本的な考え方・アプローチ[シニフィアン/シニフィエ、ラング/パロール、デノテーション/コノテーション](ソシュール、バルト) 第6回 隠喩/換喩(ヤコブソン)、アイコン/インデックス/シンボル(パース) 第7回 ふたつの「誤謬」(ニュー・クリティシズム)、ロシア・フォルマリズムの理論(異化) 第8回 構造主義の考え方とその歴史的背景(レヴィ=ストロース) 第9回 物語の構造分析:物語論(プロップ、バルト) 第10回 テクスト分析[シニフィアンス](バルト、クリステヴァ) 第11回 「作者の死」、作品/テクスト(バルト、ブース) 第12回 ヤコブソンの詩学(コミュニケーションの6機能図式)、間テクスト性(バフチン、クリステヴァ) 第13回 第三の意味(バルト) 第14回 ダイクシス[転換子、直示](ヤコブソン、バンヴェニスト) 第15回 まとめ 講義形式の授業。履修を考えている者はなるべく早い段階でeラーニングシステムkibacoの本授業に自己登録し、「お知らせ」等を確認すること。必要な連絡(シラバスの補足をふくむ)をkibacoをとおして行なうことがある。
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授業外学習 |
講読資料や参考資料を読むことによって講義内容を復習し、理解を深めること。 |
テキスト・参考書等 |
テキストは指定しない。講読資料と参考資料をkibacoを通じて適宜配付する。 |
成績評価方法 |
小レポート10%、小テスト20%、期末試験70%。 試験に出題するのはほぼすべて用語説明問題。講義内容にもとづいて解答すること。
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質問受付方法 (オフィスアワー等) |
オフィスアワーはとくに設定しないが、火曜日と金曜日の授業の前後に時間をつくることができる。必要がある場合はメール(wakagi@a.email.ne.jp)で連絡をすること。 |
特記事項 (他の授業科目との関連性) |
過去に《記号論と構造主義》を履修した者はこの授業を再度履修することはできない。 初回に授業の進め方と注意事項を説明する。欠席した場合は必ず誰かにその内容を聞いておくこと。パソコンをノートとして使用するのは耳障りなので原則として不可とする。
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備考 |
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