シラバス照会

<< 最終更新日:2024年03月21日 >>
基本情報
科目種別 授業番号 F2155
学期 前期 曜日
科目 哲学特殊講義 時限 3限
担当教員 清塚明朗 単位数 2
科目ナンバリング
※2018年度以降入学生対象
JHA-325-1:人文社会学部専門教育科目

担当教員一覧

教員 所属
清塚明朗 人文学科

詳細情報
授業方針・テーマ 異なるものが異なるがままに、しかもバラバラではなく何らかの意味での統一体として共存することはできるのか。この講義では、20世紀のフランス哲学を牽引したベルクソンとドゥルーズの多様性概念を中心にして、多様であることの意味を考察していく。
習得できる知識・能力や授業の
目的・到達目標
・一性と多様性、それぞれの多義性を理解し、「一と多」の問題系についての概観を得る。(専門分野の基本的な知識・理解、異なる文化・社会への理解)
・多様であることを肯定する視野を獲得し、自らの問題関心のもとで多様性の意義を論じられるようになる。(コミュニケーション能力・能動的学修態度)
授業計画・内容
授業方法
【授業方法】
講義を基本形式とします。受講生には毎回の授業の最後に、質問などをリアクションシートに記入してもらい、それに対する回答を次回の授業の冒頭に行います。それ以外にも、授業中の積極的な質問・発言も歓迎します。

【授業計画・内容】
1.イントロダクション
2.一と多の問題系の前提(1):多様であることの多義性
3.一と多の問題系の前提(2):統一の必要性
4.ベルクソン『試論』における多様性(1):質的多様性と数的多様性
5.ベルクソン『試論』における多様性(2):持続
6.ベルクソン『試論』における多様性(3):自由
7.ベルクソン『物質と記憶』における多様性(1):記憶
8.ベルクソン『物質と記憶』における多様性(2):潜在性
9.ベルクソン『創造的進化』における多様性(1):生物種の多様性
10.ベルクソン『創造的進化』における多様性(2):予見
11.ベルクソン『創造的進化』における多様性(3):エネルギーの爆発的利用
12.ベルクソン『創造的進化』における多様性(4):遅れ
13.ドゥルーズ『ベルクソニスム』における多様性:差異
14.ドゥルーズ『差異と反復』における多様性:反復
15.全体のまとめ
授業外学習 事前学習として、下記の参考図書を自分が興味を持ったものから順に自分で「通読」してください。
事後学習として、授業内容を整理・復習したうえで、参考図書の該当箇所を読み直してください。
テキスト・参考書等 参考書:H. ベルクソン『意識に直接与えられたものについての試論』、合田正人・平井靖史訳、ちくま学芸文庫、2002年、定価1320円
参考書:H. ベルクソン『物質と記憶』、杉山直樹訳、講談社学術文庫、2019年、定価1463円
参考書:H. ベルクソン『創造的進化』、合田正人・松井久訳、ちくま学芸文庫、2010年、定価1650年
参考書:G. ドゥルーズ『ベルクソニスム』、檜垣立哉・小林卓也訳、法政大学出版、2017年、定価2310円
参考書:G. ドゥルーズ『差異と反復』、河出文庫、財津理訳、2010年、定価(上)1595円(下)1595円

教科書となるテキストは使用しません。読解する資料がある場合は配布します。
成績評価方法 学期末レポート(70%)、および毎回のリアクションシート提出に基づく授業への参加度(30%)。

・学期末レポートでは以下の点を評価します。
(1)多様であることに対して、各自の問題意識に応じた問題設定ができているかどうか。
(2)多様であることのいくつかの意味を区別して論じることができているかどうか。
(3)授業で説明された概念を正しく用いて論じることができているか。
(4)適切な論理展開によって自らが立てた問いに解答を与えることができているかどうか。

・リアクションシートでは以下の点を評価します。
(1)毎回の授業内容に関して、「自らの関心」に即して、自らの見解の提示、分からないところについての質問、具体例の記述といった授業内容の敷衍を、適切な日本語で行えているかどうか。
質問受付方法
(オフィスアワー等)
質問等は基本的に授業前後に受け付けます。また、メール等でも受付けます。メールアドレスについては初回授業時にお伝えします。
特記事項
(他の授業科目との関連性)
特別な予備知識を必要とはしませんが、他の哲学・倫理学の授業も併せて受講することをおすすめします。
備考