授業方針・テーマ |
生物の基本行動を司る脳・神経メカニズムおよび生命維持に重要なホメオスタシスの制御機構について、脳科学・神経生理学的観点から講義を行う。 |
習得できる知識・能力や授業の 目的・到達目標 |
生命を維持する生体の機能・構造について自律神経系、内分泌系、免疫系の観点から学習し、それらが互いに協力しながら生体の内部環境を一定に維持するしくみ(ホメオスタシス:恒常性)と脳神経系との関連について理解できる(論理的思考力)。また、環境要因やさまざまな刺激による行動変化(主として、本能行動)や生体適応(脳機能を含む)のメカニズム、発育発達・加齢に伴う生理的・心理的変化に重要な役割を果たしている脳神経系の概要について理解できる(論理的思考力)。さらに、脳の可塑性、認知機能、精神疾患などに影響を与える要因について、身体的刺激(運動、生活習慣など)のみならず心理的・社会的刺激(ストレス、不安など)の作用も含めながら、脳・神経科学の観点から理解できる(能動的学習姿勢)。これらの学習を通して、「バランスのとれたこころとからだの健康」を育む能力を養う(総合的問題思考力)。 |
授業計画・内容 授業方法 |
第1回 オリエンテーション:授業計画紹介、授業目的・方法の説明 第2回 こころとからだの健康のしくみ:脳・神経系とストレス 第3回 こころとからだの健康のしくみ:脳・神経系と免疫のしくみ 第4回 ホメオスタシスの制御機構:自律神経系 第5回 ホメオスタシスの制御機構:内分泌系 第6回 生命活動・行動を調節する脳神経系の概要 第7回 脳・神経科学の研究史 第8回 脳神経系の生物学的基礎:基本的構造と機能 第9回 こころの神経科学:ストレス・覚醒・気分を調節する脳 第10回 こころの神経科学:情動・本能・記憶を調節する脳 第11回 脳の発育発達:可塑性と臨界期 第12回 睡眠を調節する脳:睡眠の意義 第13回 摂食を調節する脳:エネルギーの恒常性 第14回 行動を調節する脳:行動により変化する脳 第15回 まとめ
【授業方法】講義を中心とした授業を実施するが、適宜質問を投げかけるととともに、授業終了後に授業内容に関する自己意見及び出席状況を把握するためにミニッツペーパー(ミニレポート)を提出する。
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授業外学習 |
授業前に公表(kibaco)される資料に目をとおしておく。また、授業中に出される課題や関連図書及び文献の内容について調べ、課題レポートを提出する。 |
テキスト・参考書等 |
参考図書:池谷裕二『脳はなにかと言い訳する』(新潮文庫2010)、有田秀穂『脳からストレスを消す技術』(サンマーク出版2008) |
成績評価方法 |
成績評価は、出席2/3以上の者を対象に行い、学期末の総合レポート(60%:総合的問題思考力)と授業期間中の課題レポート(能動的学習姿勢)及びミニレポート(論理的思考力)の内容(40%:授業への出席状況を含む)を考慮して評価を行う。 |
質問受付方法 (オフィスアワー等) |
【質問受付方法】オフィスアワーは特に設定しませんが、直接質問したい場合は随時受付しますので、事前にメールでアポイントメントをとってください。(kita-ichiro[@]tmu.ac.jp) |
特記事項 (他の授業科目との関連性) |
発展科目:人間健康科学副専攻科目「行動神経科学」「脳機能生理学」
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備考 |
(注)履修登録者数の上限を設定している科目である。履修登録方法は、教務課A掲示板及び教務課WEBサイトhttps://kyomu.jim.tmu.ac.jp/を確認すること。 |