授業方針・テーマ |
今日、情報通信ネットワーク技術の発達は、われわれの生活、経済、社会制度、国際社会に大きな影響を与えている。これに伴って、従来とは性質の異なる新たな問題も多数発生し、それに対する法や政策による対応は必須の状況である。本講義では、これらの諸問題の中から具体的な法現象をいくつか取り上げて、法的対応の現状や今後の課題について検討するとともに、それらを通じて情報倫理の重要性や必要性についても学ぶ。
※【重要】受講に際しての注意 本科目の受講を考えている者は、必ず、下記「特記事項」欄記載の内容をすべて確認しておくこと。 |
習得できる知識・能力や授業の 目的・到達目標 |
情報通信技術の急速な発展に伴って発生した具体的な問題状況を把握し、それに対して法がどのように対応しているのか、また、今後いかなる対応が必要なのか、法制度の現状と法的論点について理解し、論理的に考察して説明することができる(論理的思考力)。
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授業計画・内容 授業方法 |
第1回 授業ガイダンス、情報社会における法や政策の現在(授業の鳥瞰図) 第2回 情報の送受信及び情報流通手段に関する法概念の整理(総論1) 第3回 電気通信技術の発展による情報通信ネットワーク社会の形成(総論2) 第4回 高度情報通信ネットワーク社会から「社会全体のデジタル化」へ(総論3) 第5回 デジタル社会の形成に向けた法と政策の動向(総論4) 第6回 インターネットメディアの特徴とネットワーク社会における「負の問題」(総論5) 第7回 インターネット上の違法有害情報に対する対策と対応(各論1) 第8回 インターネット上の表現行為による権利利益の侵害と法的対応(各論2−①) 第9回 インターネット上の権利侵害情報に対する最近の法的問題(各論2−②) 第10回 ネットワーク社会における個人情報の保護をめぐる法制度の展開(各論3−①) 第11回 個人情報の保護とデータ利活用の両立に向けた近時の法的動向(各論3−②) 第12回 ネットワーク社会における情報セキュリティ(各論4) 第13回 電子商取引の進展に伴う法的諸問題への対応と現状(各論5-①) 第14回 デジタルプラットフォームの多様化・集中化と消費者の保護(各論5-②) 第15回 インターネットによる情報流通と著作権や知的財産権の侵害(各論6) ※情報リテラシーや情報倫理については、とくに第3回以降の授業回の中で随時扱う。
【授業方法】 講義を中心に進めるが、論理的思考を育むことを目的として、授業中に課題を出して受講者自らの考えを記載し提出することを求めたり、レポート課題を出題したりする。また、多くの授業回では、授業中に質問を提示し受講者の発言を求めながら双方向的な形式で授業を進行する予定である。なお、進捗状況に応じて内容や講義順を変更する場合もある。 |
授業外学習 |
・事前に配布するレジュメを授業前に必ず読んで疑問点や不明点を整理しておくこと。 ・レジュメの多くでは予習事項などが記載されているので、自分で調査して授業に臨むこと。 ・授業外学習としてレポート課題などの提出を求めたときには、調査検討の上、成果物を提出すること。 |
テキスト・参考書等 |
・テキストはとくに指定しない。講義は、レジュメや資料を配布して行う。レジュメ、資料、レポート課題などは、kibacoを通じて配布する。 ・六法の詳細は第1回授業時に説明する。また、六法に登載されていない法律については、資料として配付する予定である。 ・参考文献等は授業に際して適宜紹介するが、自習用参考書として以下の文献を挙げておく。 ◯曽我部真裕ほか著『情報法概説(第2版)』(弘文堂、2019年、税込3,960円) ◯小向太郎著『情報法入門:デジタルネットワークの法律(第6版)』(NTT出版、2022年、税込3,300円) ◯宍戸常寿編著『新・判例ハンドブック 情報法』(日本評論社、2018年、税込1,760円) |
成績評価方法 |
・「①期末試験 」70%及び「②提出物等」 30%の割合で成績を評価する。 ・「①期末試験」は、到達目標に掲げた点の達成程度を確認するための問題とする。すなわち、情報通信ネットワーク社会で生じた問題状況、法制度の現状や法的論点に関する理解度や、それらに対する論理的思考力の習得度をはかるという観点から、主として論述形式の問題を出題する。 ・「②提出物等」は、レポート課題などの提出物に対する評価を中心とするが、事前学習課題や授業中での質問に対する発言など授業への参加度も評価項目に含めて、総合的に評価する。 ・期末試験を受験しなかった者には単位を与えない。 |
質問受付方法 (オフィスアワー等) |
オフィスアワーとして特定の時間は設定しないが、kibacoを通じての質疑応答を予定している。また、授業後における質問については随時受け付ける。 |
特記事項 (他の授業科目との関連性) |
【注意事項】 ・授業は教室での対面方式で実施するが、記録や授業中質問への回答のためにZoomによる配信及び録画を行うとともに、kibaco「掲示板」機能も利用する予定である。 ・授業情報の周知や連絡はすべてkibacoを通じて行う。
【前期授業開始前の案内情報】 本科目の授業開始日までに、第1回の授業内容などについてkibacoを通じて案内するので、本科目の受講を考えている方は、事前に、kibacoにて本科目を「自己登録」しておくこと。kibacoへの「自己登録」は、あくまで上記の情報をkibacoを通じて事前に提供するためであり、「正式の履修登録」とはならない。
【他の授業科目との関連】 本科目は、法横断的な科目であり、情報社会における個々の法現象は、それに関連する他の専門科目等でより詳細な検討がなされる。ただ、今日の現状や将来を考えたとき、「情報社会における法制度の現状や法的論点」などについて基本的知識を有していることや、論理的思考力を身に着けることは有益であるので、所属する学部、学系、コース等に関係なく受講することができる。 |
備考 |
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