授業方針・テーマ |
物質は何からできているのか?それらの物質を形作るためにどのような力が働いているのか?宇宙はどのようにして生まれ、またどのようにして現在の姿になっているのか?など、我々の身の回りの自然には様々な疑問が一杯ある。現在、ミクロな素粒子の世界は素粒子標準モデルによって理解され、マクロな宇宙は一般相対性理論によって理解されつつある。一方、その広大な宇宙には多種多様な天体が存在するが、何もない宇宙からそのような天体がどのようにして生まれ、進化してきたかを解明する試みはいまだ道半ばである。授業では、自然界の成り立ちを理解するために素粒子から宇宙を俯瞰的に眺め、現代の自然観を一緒に探っていきたいと考えている。素粒子や宇宙の理論を理解するには高等数学が必要であるが、この授業では数学的理解を求めるのではなく、それらの理論の持つ意味を理解し、最先端の科学に触れて興味をもって頂きたいと考えている。 |
習得できる知識・能力や授業の 目的・到達目標 |
素粒子から宇宙に至る自然の階層性を理解し、それぞれの階層でどのような物理法則が重要な役割を果たしているのかを学ぶ。20世紀初期に発見された量子力学と相対性理論は我々の自然観に大きな変革をもたらした。この2つに関しての基本的な考え方を学ぶ。また、太陽系から銀河、そして宇宙の果てへと様々な天体をたどりつつ、時間をさかのぼることで、現在の宇宙の姿と天体がどのようにして形作られてきたかを知り、地球と我々の宇宙における立ち位置を知る。これらを通じて、現在の知識人が知っておくべき素粒子や宇宙に関する基本的な知識が得られる。 |
授業計画・内容 授業方法 |
前半(第01回-第07回)を安田が、後半(第08回-第15回)を藤田が担当し、以下の内容で進める予定である。 第01回 序章:相対論、量子論、素粒子 第02回 素粒子の相互作用 第03回 素粒子の標準模型と対称性の破れ 第04回 CPの破れと小林益川理論 第05回 ニュートリノと素粒子 第06回 標準模型の彼方 第07回 前半のまとめ 第08回 太陽系 第09回 恒星 第10回 星雲と星間物質 第11回 天の川銀河 第12回 銀河 第13回 宇宙論 第14回 宇宙の観測手段と基礎理論 第15回 後半のまとめ
|
授業外学習 |
授業のスライドはweb site(前半のスライドはkibaco上に提示;後半のスライドは授業のweb site(kibacoのお知らせを参照))に置いてあるので、授業範囲を予習し、専門用語などの意味等を理解しておくことが望ましい。 |
テキスト・参考書等 |
参考書は授業のなかで必要に応じて紹介する。
|
成績評価方法 |
前半:第07回目に出題するレポート(50%)により評価する。 後半:小論文的なテスト(50%)を実施することにより評価する。
|
質問受付方法 (オフィスアワー等) |
オフィスアワーは特に設定しないが、質問したい場合はメールで受付けるので、メールで連絡をとること(メールアドレスはkibacoのお知らせを参照のこと)。 |
特記事項 (他の授業科目との関連性) |
学生への連絡は大学のメールアドレス(@ed.tmu.ac.jp)宛にメールにて行うので、各自PC・携帯等への転送設定をしておくこと。 前半の授業の進め方・前半の成績評価に関する説明は第01回目に行う。 第01回目に欠席した者は、(i)kibaco上のお知らせ、(ii)授業のweb site上の注意、(iii)第01回目授業のスライド(授業のweb site上に提示)のすべてを必ず熟読して第02回目以降の授業に出席すること。 前半のレポート提出期限は2025年1月6日(月)とする。これ以降の提出は認めないので十分注意すること。
|
備考 |
(注)履修登録者数の上限を設定している科目である。履修登録方法は、教務課A掲示板及び教務課WEBサイトhttps://kyomu.jim.tmu.ac.jp/を確認すること。 |