授業方針・テーマ |
微分積分Ⅰaで学んだ内容を前提として,多変数関数の微分積分の知識を習得する.まず最初に,多変数の微分法に関する基礎を習得し,自然科学や社会科学の様々な分野で現れる様々な最小・最大値問題の解法を学ぶ.中盤で学ぶ多変数の積分法は,古典力学の剛体運動や流体などの連続体の運動を記述する際に便利である.また確率・統計の確率変数のさまざまな計算でも用いることになる.後半には,無限級数やべき級数および一様収束とそれに付随する極限操作も学ぶ.これらの極限概念は解析学における基礎的な言語であり,たとえば,微分方程式の解の存在を議論する際に必要となる. |
習得できる知識・能力や授業の 目的・到達目標 |
1.多変数関数の微分積分の理論を厳密な論理を用いて体系的に理解し,その方法論に関する基本的知識を身に付け,論理的展開方法を理解することができる.(専門分野の基本的な知識・理解,論理的思考力) 2.多変数関数の微分積分の考え方や運用法を活用し,さまざまな課題解決のために応用することができる.(専門分野の基本的な知識・理解,総合的問題思考力)
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授業計画・内容 授業方法 |
【授業計画・内容】 第 1回 2変数関数と等高線 第 2回 平面の点集合,点列の極限、2変数関数の極限・連続性 第 3回 偏微分と全微分, 合成関数の偏微分(連鎖律) 第 4回 高次偏導関数,テイラーの定理 第 5回 2変数関数の極値, 最大・最小問題 第 6回 陰関数定理,陰関数の極値 第 7回 逆写像定理,条件付極値問題 第 8回 前半のまとめ 第 9回 重積分,累次積分 第10回 重積分における変数変換 第11回 広義重積分 第12回 3重積分,球座標と円柱座標 第13回 級数の収束・発散 第14回 べき級数,テイラー展開、関数項級数と一様収束 第15回 後半のまとめ
【授業方法】 講義を中心とした授業を行う. 毎回小レポート課題を出題する.
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授業外学習 |
各回の授業前には教科書の該当ページや配布資料に目を通しておくこと. 課題を通して内容の理解度を自ら確認すること. |
テキスト・参考書等 |
微分積分Ⅰa と同じ教科書を使用する.
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成績評価方法 |
・中間試験 40%,期末試験 40%,授業参加度20%により総合的に評価する.
記述式の試験と課題によって,習った知識を理解した上で,問題に適切な方法で論理的に解答を与えることができるかを確認する(専門分野の基本的な知識・理解,総合的問題思考力,論理的思考力). |
質問受付方法 (オフィスアワー等) |
開講時に指示する. |
特記事項 (他の授業科目との関連性) |
【他の授業科目との関連性】 ・高等学校で数学I,II,III,A,Bをすべて履修済みであることを前提とする。 ・微分積分Ia,線形代数Iaを履修済みであることを前提とする。
【その他】 ・この講義の履修を希望する者は第1回の講義に必ず出席すること. ・この講義は学科別にクラス編成を行っているので、履修の手引で指定されたクラスで受講すること。 ・このクラスは数理科学科の学生のみを対象とする。
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備考 |
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