授業方針・テーマ |
〔重要:この科目は、2018年度以降入学者は「フランス語圏文化史」、2017年度以前入学者は「フランス語圏文化史B」を履修登録すること。〕
フランスの音楽文化は、中世から現代に至るまでヨーロッパ文化圏において常に重要な役割を果たしてきた。ここでは、フランス音楽史のなかで主要なレパートリーと作曲家を取り上げ、各時代の歴史的・政治的・社会的な背景とともに、音楽事象の流れと音楽作品の特徴を概観する。後期の授業では19世紀末〜20世紀後半のフランス音楽史を概観し、講義と音楽の鑑賞、ディスカッションを通して理解を深めます。【フランス音楽史全体の流れを通年で辿りますので、前期開講科目「フランス語圏文化史(F4239)」と併せて受講することを推奨します。】 |
習得できる知識・能力や授業の 目的・到達目標 |
フランス音楽に関する知識の習得と、フランス文化のなかで音楽がどのような位置を占めながら発展して いったのか、キリスト教社会と音楽、文学・絵画など諸芸術と音楽の照応等の視点を含めて文化史的な理解を深め、フランス音楽史全体を概観できるようにする。その際に、フランスの文化と音楽がヨーロッパ文化圏の諸国やそれ以外の文化圏の影響を受けながら発展していった点にも着目し、フランス音楽を多面的なコンテクストから捉えられるようにする。 |
授業計画・内容 授業方法 |
第1回:ガイダンス/19世紀から20世紀におけるフランス音楽史の転換点 第2〜3回: ベル・エポックの音楽〜印象主義の音楽 第4〜5回: バレエ・リュスの影響 第6〜7回: フランス6人組と若きフランス 第8〜9回: 戦後フランスの前衛音楽 第10〜11回: ミュジック・コンクレート〜アクースマティック音楽(GRM) 第11〜12回: スペクトル音楽〜ライヴ・エレクトロニクス(IRCAM) 第13回〜14回: 20世紀のフランス・オペラ、音楽劇
一つのテーマを2回に分けて授業を進め、歴史を概観した講義を踏まえてじっくり音楽を試聴したり、配布した資料やテクストを基にしてディスカッションを行います。 |
授業外学習 |
【授業】受講者は配布資料・テクストをよく読み、自分なりの考えや視点をまとめてきてください。
【レポート】学期末のレポート提出のために、授業を受けながら各自テーマを選び、関連する文献を探して読み進めていくこと。レポートは必ずしも音楽的なアプローチの必要はなく、文学、美術、歴史、社会、教育などさまざまな角度からフランス音楽を考察し、各自の専門や関心に沿ってテーマを決めることができます。 |
テキスト・参考書等 |
授業内で適宜指示・配布。
【参考図書】 N.デュフルク『フランス音楽史』遠山他訳、白水社、1972年 今谷和徳; 井上さつき『フランス音楽史』、春秋社、2010年 U.ミヒェルス編『図解音楽事典』角倉一朗監修、白水社、1989年 田村和紀夫;鳴海史生『音楽史 17の視座』、音楽之友社、1998年 フランソワ・ポルシル『ベル・エポックの音楽家たち セザール・フランクから映画の音楽まで』安川智子訳、水声社、2016年 田崎直美『抵抗と適応のポリトナリテ ナチス占領下のフランス音楽』、アルテスパブリッシング、2022年 ジャン=イヴ・ボスール『現代音楽を読み解く88のキーワード』栗原詩子訳、音楽之友社、2008年 オード・ロカテッリ『二十世紀の文学と音楽』大森晋輔訳、白水社、2019年 渡辺裕『聴衆の誕生 ポスト・モダン時代の音楽文化(新装増補)』、春秋社、1996年 |
成績評価方法 |
出席・ディスカッションへの参加度 (30%)、期末レポート内容 (70%)で決めます。 |
質問受付方法 (オフィスアワー等) |
質問や相談は授業の前後か、kibacoで問い合わせてください。 |
特記事項 (他の授業科目との関連性) |
音楽の知識は必要ありませんが、音楽について考えること、音楽を聴くことに関心を持っていること(フランス語学習者でなくても受講できます)。視聴覚資料を用いるので、私語は厳禁にします。
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備考 |
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