授業方針・テーマ |
テーマ【日本の社会問題の科学的分析】
日本社会において解決されることが望ましい特定の社会・政治的問題(教育、汚職、貧困、ダイバーシティー、少子高齢化、防災、環境を取り巻く課題等々様々ありますね)を1つ選び、その問題の原因と解決方法を探る方法を、以下の4つのステージを通して学びます:
① 分析されるべき問題を見つける。 ② 問題の原因を考える。 ③ データを使って問題の構造を分析する。 ④ 小論文にまとめ、結果を発表する。
これらのステージは全てクラスメートとの共同作業で構成されます。各々の得意・苦手分野を補い合えるよう協力しましょう。ステージ③ではデータを使った統計分析を行いますが、数学的・統計学的バックグラウンドは不問です。日本の様々な社会・政治問題への好奇心を携えて履修していただけると何よりです。 |
習得できる知識・能力や授業の 目的・到達目標 |
本授業では、共同思考とデータ分析を通じて因果関係を推し量る方法を学びますが、学問的な「正解」を目指すことを目標とはしません。我々の目的は、「履修の手引」にもあるように、大学生活、そして長い社会生活に必要なコミュニケーション能力・情報活用能力・能動的学修姿勢の修練にあります。そのために、1学期間に以下の具体的な手順を踏みます:
① 意見を出し合い、自分たちが取り組むべき問題を見つける。 ② 論理的思考とデータ分析を通して、①に自分たちなりの解答を与える。 ③ ②に際して、AI等のサポートを受けながら統計ツールに指示を出せるようになる。 ④ ①‑③の手順と結果をまとめ、小論文を作成できるようになる。また、その成果を発表できるようになる。
予備知識は不問ですが、履修生の皆様は1学期を通して統計的思考も学ぶことになります。データを扱う能力だけでなく、扱うデータの中にどのような因果関係が存在しているかを推論する能力も涵養します。 |
授業計画・内容 授業方法 |
第 1回 基礎ゼミナールガイダンス 第 2回 履修生の自己紹介、皆で分析する日本社会の問題についての概観 第 3回 因果関係の考え方① 第 4回 因果関係の考え方② 第 5回 分析する問題の設定 第 6回 説明変数と仮説構築 第 7回 データ分析の方法① 第 8回 データ分析の方法② 第 9回 データ分析の方法③ 第10回 分析結果の解釈 第11回 メカニズムと仮説の再検討 第12回 グラフの描き方 第13回 政策的含意 第14回 プレゼンテーション① 第15回 プレゼンテーション②、総まとめ
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授業外学習 |
① 自分たちが挑む社会問題を見つける。 ② 問題の原因を考える。 ③ データ分析手順の予習、及び分析を実行する。 ④ 参考文献を調査する。 ⑤ 論文を執筆し、発表の準備を行う。 |
テキスト・参考書等 |
星野匡郎・田中久稔・北川梨津 (2016) 『Rによる実証分析:回帰分析から因果分析へ』(第2版) オーム社 ISBN-10 4274230023 ISBN-13 978-4274230028 第1版であればネットで安価な中古商品が手に入りますので、そちらでも構いません。
また、参考資料を適宜配布します。 |
成績評価方法 |
積極的な授業参加・発言(40%)、プレゼンテーション(30%)、小論文等の提出物(30%)。
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質問受付方法 (オフィスアワー等) |
水曜または木曜5限に大槻研究室(6号館410号室)にてオフィスアワーを設けます。もちろん授業内でも質問を受け付けます。Teamsでも連絡や質問などに対応します。 |
特記事項 (他の授業科目との関連性) |
個人またはグループで問題分析にあたる姿勢と考え方は大学生活を通して、更には大学を卒業した後でも役に立つでしょう。論理的な文章の書き方も身につくので、今後のレポート作成の助けにもなるでしょう。AIのサポートを受けてデータを分析するのも本授業の特色です。AIのアウトプットの質は指示の質に大きく依存するため、使いこなすためには、現在のAIにできること・できないことを理解しておく必要があります。また、AIの使用が適切と考えられる学修上の、そして社会的な文脈を理解することも大切です。 |
備考 |
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