授業方針・テーマ |
テーマ 【非科学的なことを科学的に考える】 科学的でないもの,科学に似たもの,そういう怪しげなものが世の中には確かに存在している。なぜ,それらは非科学的と判断されるのだろうか? その理由を考えることは「科学とは何か?」について考えることと等価である。そこで,科学リテラシーを身に付けるためにも「非科学,疑似科学,オカルト」とされる事柄をテーマとして調査・議論・発表を行う。 |
習得できる知識・能力や授業の 目的・到達目標 |
この授業では,担当教員も答えを知らない問題について受講者全員が考えることを通して,科学的な見方・考え方を身に付けることを目的とする。さらに,分野にかかわらず必要な「論理的に,客観的に,そして建設的に議論する能力」を高めることを目標とする(コミュニケーション能力)。そのためには,積極性と協調性が重要であり(能動的学修姿勢),インターネットおよび紙媒体の文献から有意義な情報を収集する能力も欠かせない(情報活用能力)。なお,PowerPointを用いたプレゼンテーションのノウハウを習得することも,目的の一つである。 |
授業計画・内容 授業方法 |
第1回 基礎ゼミナールガイダンス 第2回は授業の進め方に関する詳しい説明や受講者の自己紹介などを行い,それ以降はグループに分かれて次のように進めていく。 1. 調査: 受講者の興味を考慮した上でテーマを設定し,それについて各自が詳しく調べる。授業中にノートPCを配布してインターネットで調べてもらうが,それだけでは不十分である。図書館を利用した文献調査も含めて,詳細な調査をして議論の準備をする。 2. 議論: 各自の調査結果を持ち寄って,グループ内で議論を行う。そして,最終的なグループとしての意見をまとめる。少人数のグループの中でも、完全に意見の一致を見ることはないだろう。様々な意見を並記して良いので,客観的にも論理的にも妥当な結論をまとめてもらう。 3. 発表準備: さらに議論を深めながら,PowerPointを用いて討論結果について判りやすく印象的に発表するための準備を行う。スライド作成の技術的な点については,教員がアドバイスをする。 4. 発表: 各グループの討論結果や意見の集約について全員の前で発表し,全員で議論を行う。終了後,発表と議論の内容と感想についてレポートを書いて,一週間後に提出する。 以上のような手順を基本単位として,3回の発表会を行う予定である。テーマは「非科学的とされているもの」あるいは「疑似科学とされているもの」とする。多様性を持たせるため,グループ分けは毎回変えていく。従って,第6回,第10回,第14回が発表となる。 第15回は総合的な解説の講義を行う予定である。 |
授業外学習 |
できるだけ調査は授業時間外に行い,授業中の議論のための時間を確保できるようにすること。 |
テキスト・参考書等 |
石川幹人 「なぜ疑似科学が社会を動かすのか」 (PHP新書, 2016) 森達也 「オカルト」 (角川文庫, 2016) 左巻健男 「暮らしのなかのニセ科学」 (平凡社新書, 2017) など,参考になる書籍は驚くほど多数ある。授業の最初に,いくつかを紹介する。 |
成績評価方法 |
調査(能動的学修姿勢)および議論(コミュニケーション能力)に対する姿勢を30 %,プレゼンテーション(準備も含む)を30 % (情報活用能力),提出レポートを40 % として,総合的に判断する。無欠席で課題を普通にこなしている場合の成績を「4」とする予定である。なお,正当な理由なく4回以上欠席した場合は不合格とする。 |
質問受付方法 (オフィスアワー等) |
講義中の質問、あるいはメールによる質問は、随時受け付ける。直接,話がしたい場合は、講義の前後、あるいはメールで事前にアポイントメントを取ること。 【連絡先】 ishisaki@phys.se.tmu.ac.jp |
特記事項 (他の授業科目との関連性) |
できるだけ多様な視点から議論ができると楽しいので,学部・学科をまたいで、さまざまな興味と視点を持った人に参加してもらいたい。 |
備考 |
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