授業方針・テーマ |
【文学作品のアダプテーションを考える】 文学のオリジナル作品が、同じ文学の枠内で舞台や設定を変えることによる改変や翻案として再生産されるだけでなく、オペラやバレエ、映画、アニメ、漫画など様々なメディアに移し替えられて新たな作品としてよみがえり、多様な展開をみせています。私たちがふだん特に意識しないで読んだり視聴したりしている、そのようなアダプテーション作品の元となる物語がどのようなものか、知りたいと思いませんか。 本授業では、アダプテーションの実例を選択肢から一つ選び、元の文字テクストの読み方や文学の基礎を学びながら、文学作品がアダプテーションによってどのように変容していくかを、グループで考え、発表し、レポートにまとめるまでの一連のプロセスを体験します。 |
習得できる知識・能力や授業の 目的・到達目標 |
・発表方法とレポート作成方法を身につけること ・コメントや質疑応答、議論に慣れること ・アダプテーション作品についての情報を収集し、自分の視点で分析、考察し、論じられるようになること ・グループワークにおいて他者の意見を尊重し理解し、自らの意見を伝え、協調的に活動できること ・他の受講生の発表やコメントをとおして、アダプテーションに関する知識と考察を深めること |
授業計画・内容 授業方法 |
第1回 基礎ゼミナール ガイダンス 第2回 本ゼミナールのオリエンテーション:授業概要、アダプテーションについて 第3回 中世英雄叙事詩『ニーベルンゲンの歌』と無声映画『ニーベルンゲン』/グループ分け 第4回 ゲーテ『荒野のばら』と詩の翻案、歌曲『野ばら』/レポート作成の方法 第5回 ギリシア神話、シラー『人質』、太宰治『走れメロス』、森見登美彦『新釈走れメロス』/「三つの指輪」のモチーフをめぐるアダプテーション:中世イタリア説話集、『デカメロン』、『賢者ナータン』/グループワーク 第6回 グリム童話『白雪姫』・『ラプンツェル』、カフカ『田舎医者』・『変身』、トーマス・マン『ヴェニスに死す』と各映画作品、E.T.A.ホフマン『くるみ割り人形とねずみの王様』とバレエ『くるみ割り人形』/グループワーク 第7回 発表とディスカッション(1) 第8回 発表とディスカッション(2) 第9回 発表とディスカッション(3) 第10回 発表とディスカッション(4) 第11回 発表とディスカッション(5) 第12回 発表とディスカッション(6) 第13回 発表とディスカッション(7) 第14回 発表とディスカッション(8) 第15回 まとめ
*アダプテーションの実例を紹介する第3回〜第6回は、履修者の関心に応じて内容を変更する可能性があります。
【授業方法】 学生が主体的に学び取り組む、演習形式・実習形式の授業となります。
|
授業外学習 |
各自、グループ内でテーマを設定し、発表とレポート作成をすることになりますので、計画的に準備を進めてください。 対象となる原作(元の文字テクスト)は日本語訳をかならず読んでください。 |
テキスト・参考書等 |
【参考書】 ・小川公代、村田真一、吉村和明(編)『文学とアダプテーション ー ヨーロッパの文化的変容』春風社、2017. ・リンダ・ハッチオン『アダプテーションの理論』晃洋書房、2012. 原作は、短いものはこちらでプリントを用意し配布します。小説作品は、授業で抜粋を配布するものもありますが、文庫版で入手可能な作品はあらかじめ用意し授業前に読んでおいてください。 その他の参考文献は授業で紹介します。 |
成績評価方法 |
発表:40%、レポート:30%、平常点:30%(授業への積極的な参加やコメント・議論など) |
質問受付方法 (オフィスアワー等) |
質問は授業中および授業後、またはメールで随時受け付けます。 sonoda@tmu.ac.jp
|
特記事項 (他の授業科目との関連性) |
文学その他の専門的な知識は特に必要ありません。採り上げる対象と真摯に向き合い、知的に考え行動できる方であればどなたでも歓迎します。 |
備考 |
|