授業方針・テーマ |
テーマ【日本の学問・思想の基本用語を翻訳という視点から認識し直す】 日本は、明治維新後に急速に西欧文明を受容し、近代化したが、その過程でそれまで日本に存在しなかった学問や思想を取り入れるために、専ら新しい漢語を造語し、それによって西欧の諸概念を翻訳した。それらの新しい漢語は現在は日本語として定着しているが、明治以前の日本語とは異なる起源を持つために、意味の混乱や実感の乏しさなどさまざまな問題を現代においても持ち続けている。 この授業では、柳父章著『翻訳後成立事情』をテキストとして、人文系の学問や思想にかかわる基本的諸概念の意味内容を、改めて考え直し、自分自身の実感的な理解に到達することを目指す。 |
習得できる知識・能力や授業の 目的・到達目標 |
・明治維新後の日本の思想に関する基本的な知識を身につけ、図書館等での文献調査ができるようになる(情報収集能力)。 ・現在では自明のものと考えられている概念の非自明性を認識し、概念を日本語の文脈の中でより具体的に理解する。 ・得られた情報を整理して分析し、他者に対して発表する能力と、相手の考えを受けて応答する能力を身につける(情報活用能力・プレゼンテーション能力・コミュニケーション能力)。 |
授業計画・内容 授業方法 |
【授業計画】 第1回 基礎ゼミナールガイダンス 第2回 授業の概要説明:本授業のテーマ、グループ分け、自己紹介、今後の予定など 第3回 明治維新以後の日本の思想史について(講義) 第4回 明治維新以後の日本の言文一致体の成立について(講義) 第5回 文献調査方法とレポートの書き方について(講義) 第6回 「社会」について、教員がテクストを解説した後、グループ内で討論する 第7回 「個人」について、教員がテクストを解説した後、グループ内で討論する 第8回 研究発表① 「近代」 第9回 研究発表② 「美」 第10回 研究発表③ 「恋愛」 第11回 研究発表④ 「存在」 第12回 研究発表⑤ 「自然」 第13回 研究発表⑥ 「権利」 第14回 研究発表⑦ 「自由」 第15回 研究発表⑧ 「彼、彼女」 ※授業計画は、授業の進行状況によって若干変更することがある。
【授業方法】 ・前半に教員が講義を行い、後半からグループに分かれて討論や発表を行う。グループ内では各自が必ず担当する箇所を決め、全員が発表と議論に参加するようにする。 ・グループワークが中心となるため、対面授業で実施する。
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授業外学習 |
・研究発表にあたり、授業外の時間に図書館等で文献調査をしたり発表資料を用意したりする時間が必要になる。 ・受講者各自は、発表され語について事前にテキストや参考文献等で予習して各歌の問題点について自分なりに考察した上で授業に参加する(授業内の討論に備えるため)。 ・毎授業後に、各自がコメントをkibacoを通して提出する。 ・研究発表後に、各自が個人で期末レポートをまとめる。 |
テキスト・参考書等 |
【テキスト】柳父章著『翻訳語成立事情』(岩波新書 1981年) ※ その他の参考資料は授業中に指示する。 |
成績評価方法 |
各回に提出するコメント、発表及び授業参加の積極性、期末レポートによって総合的に評価する。 ・発表及びレポートについては、文献調査が適切にできているか、収集した情報を適切に分析し問題点を考察しているか、収集した情報をもとに自分自身の意見を述べているか等を評価項目とし、構成や論理性を重視して評価する。 ・授業内の発言やコメントについては、授業内に得た情報を活用して積極的に考察し、他者に自分の意見を伝える能力を評価する。 ・正当な理由なく4回以上欠席した場合は不合格とする。
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質問受付方法 (オフィスアワー等) |
質問の受付はkibacoのメッセージ又はメールで受け付けます。 メールアドレス:ohsugi@tmu.ac.jp(※件名に「都立大・氏名」を書いて下さい)
直接相談したい場合は、授業終了後に時間を取ります。
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特記事項 (他の授業科目との関連性) |
・担当教員の専門は日本近現代文学・文芸批評ですが、本授業は日本の近代思想についての基礎的な授業になるので、どの学部からの受講生でも履修可能です。 ・授業をやむを得ず欠席する場合は、事前に教員まで連絡して下さい。 ・第2回授業は、グループ分けや研究発表の割り当て等の決定があるので必ず出席すること。 |
備考 |
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